東京都代表チームの強化練習として、都内全域から選手たちが集まり、毎週日曜日に活動している。メンバーは25人前後で構成されており、大会に参加する際は15名を選抜する。井上一仁さん(都立武蔵台学園・副校長)ら特別支援学校の先生たちが中心となって、指導に当たっている。
井上さんは、「門戸を広げ練習への参加を受け入れています。熱意さえあればチームの一員として迎えますし、多少技術レベルが劣る選手であってもまったく構わないと思っています。どれだけ実力があっても、練習に来られないような人を選抜するようなことはしません。しっかり練習を積んでレギュラーポジションを獲得し、さらに全国大会での活躍を目指すという選手は、とことん頑張ってやっていますよ。」と話す。
この日は、まずランニングと準備体操を経てから、内外野に分かれてのシートノック。内野手はダブルプレーやバントへの対応など、投手を含めた連携プレーに力を入れていた。
また、グラウンドの一角では大きなネットが張られ、並行してピッチングマシンを使った打撃練習が行われた。マシンは相当なスピード(時速120kmから140kmまで)に設定されていて、中にはバットに当てるのが精一杯という選手もいるが、しっかりミートしている選手も少なくない。
やがて選手たちが各ポジションにつき、投手の投球を打者が打つシートバッティングが始まった。豪快なスイングで一発長打を狙うスラッガータイプもいれば、コンパクトにミートして野手の間を抜こうという巧打者タイプもいて、打撃陣の個性は豊か。さすがに、東京都選抜チームでレギュラーを目指すような選手ともなると、レベルも高い。それは、細やかな指導を行っている井上さんはじめ、これまでの先生方の指導の賜物でもあるのだろう。
4月の関東ブロック予選を勝ち抜いて全国大会の出場権を得るべく、熱のこもった練習が続いた―。