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酒井 泰葉さん(障がい者水泳クラブ「アクアマルシェ」代表)

※アクアマルシェは2020年3月に一般社団法人日本障がい者スイミング協会となりました

酒井泰葉さんの写真

プロフィール

名 前

酒井 泰葉(さかい やすは)

所 属

障がい者水泳クラブ「アクアマルシェ」

障がいのある人に水泳の素晴らしさを伝えるために活動している酒井泰葉さんにお話を聞きました

経歴について教えてください。

 幼稚園の頃の病気がきっかけで水泳をはじめ、水の世界に夢中に。高校卒業直後に水泳指導員の資格を取得。主に多摩地域の小学校やスイミングスクール、障害者水泳のクラブを何件も飛び回って活動。ワッツやアイチなどの水中リラクゼーションや水中運動をはじめ、応急手当の国際資格(MFA)を取得しつつ、フリーの水泳インストラクターとして活動を続け、社会人となった現在介護職員をしながら、シンクロやトライアスロンなど楽しんでいます。

※ワッツ・・・ホテルでも行われる、水の上に、上を向いたままで行われるリラクゼーション。

アイチ・・・水中で行う太極拳のような動きをする水中体操。

障害者スポーツに携わり始めたきっかけは何ですか?

 大学1年生のときに母親の知人から障がい者水泳教室に誘っていただいて、私でよければと参加したことがきっかけです。当時はスイミングスクールでも水泳指導員をしていましたが、よりたくさんの知識や工夫が必要で難しさを感じました。でもお一人お一人と向き合い、信頼関係ができ、お互いの気持ちが伝わったときにやりがいを感じ「難しい、だから楽しい」と思えました。「もっと深く勉強したい」「活動を続けたい」「もっと貢献したい」と気持ちを強くしました。それから水泳や整体などの講習会にもそれまで以上にどんどん参加したり、水泳の国際資格を目指して猛勉強したりと、トータルでもう一度大学に通えるくらいの勉強と経験をさせていただきました。

現在はどういった活動をされていますか?

 8年間、健常者障害者、年齢、性別(LGBT+など)に関係なく、水泳レッスンを通じて貴重な経験をさせていただきました。競泳だけではなく、シンクロやリラクゼーション、水中ウォーキングなど幅広く水のおもしろさを伝えたく自主クラブ「アクアマルシェ」を立ち上げました。水泳教室と応急手当講習会の2本柱で活動しています。水泳は個人レッスンでお一人お一人に向き合って、しっかりていねいに練習しています。中には体が緊張している方もお見えですので、じっくり1時間リラクゼーションをすることも。個人レッスンなのでその時々の体調に合わせています。練習で使っている道具も一つ一つ私が手作りしていて、肌に優しいオーガニックコットンの生地や糸を使っています。身体や知的に障害のある方が受講できる応急手当の講習会もスポーツ教室同様に少ないことから、応急手当教室も開いています。人工呼吸の仕方も一人一人工夫しながら進め、私から直接国際資格を発行しています。

その他ございましたらお願いします。

 水泳をこれから始める方への第一歩として、障がい者水泳のハンドブックを作り、4年間ずっと夢だったものがやっと形になりました。水中運動の仕方等を掲載しています。配布を希望される方は、下記の連絡先までご連絡ください。水泳がはじめての方、今水泳に関わっている方の一助となればと思います。水泳はスポーツの中でも一番水を使います。環境のことも大切にしたいと思い、フェイスタオルから手作りのタオルキャップをつくる企画や、小さくなった水着を水泳帽子にリサイクルする企画なども考えています。障害の有無やスポーツ経験の有無に関係なく、運動を楽しむ場が増えたらいいですね。