大会・イベントレポート詳細
第18回冬季デフリンピック大会
デフリンピックとは
「デフリンピック(Deaflympics)」は、聴覚に障害のある、ろう者の国際総合競技大会です。4年ごとに開催され、夏季大会と冬季大会は交互に2年おきに行われます。夏季大会は1924年にフランスで、冬季大会は1949年にオーストリアで初めて開催されています。
なお、デフリンピックへの参加資格は、補聴器をはずした裸耳状態での聴力損失が55デシベルを超えている者で、各国のろう者スポーツ協会に登録している者とされています。また、競技中に補聴器を装用することは禁止されています。これは身体の安全を確保する観点によるものです。
また、参加者が国際手話によるコミュニケーションで友好を深められるところに大きな特徴があります。
デフリンピックを運営する組織は、国際ろう者スポーツ委員会(International Committee of Sports for the Deaf)で、1924年の設立以来、デフリンピックやろう者世界選手権大会の開催、そして各国のろう者スポーツの振興などの取り組みを続けています。現在の加盟国は109カ国です。
【写真:第18回冬季デフリンピック ロシア2015】
開催情報
開催期間 | 2015年3月28日(土)開会式〜4月5日(日)閉会式 (9日間) |
開催国・都市 | ロシア/ハンティマンシ-スク、マグニトゴルスク |
運営主体 | 国際ろう者スポーツ委員会(ICSD) 第18回冬季デフリンピック組織委員会 |
実施競技 | アルペンスキー、クロスカントリースキー、スノーボード、カーリング、アイスホッケーの5競技が行われる予定です。 (アンダーラインは日本選手が参加予定の4競技) |
デフリンピックのロゴマーク
ろう者のデザイナー、ラルフ・フェルナンデス(Ralph Fernandez)作で、国際的なろう者スポーツのコミュニティのポジティブでパワフルなシンボルです。「手話」「ろう文化」「結束と継続」といった強い要素がこのロゴマークに集約されています。
手の形が「OK」「GOOD」「GREAT」を意味するサインが重ねられており、それはまた「デフリンピック」の手話を表しています。
ロゴマークの中央は「目」を表しており、ろう者が視覚中心の生活を営んでいることを示しています。また、赤色、青色、黄色、緑色はアジア太平洋、ヨーロッパ、全アメリカ、アフリカと4つの地域連合を表現しています。
ろう者のコミュニケーション 国際手話
デフリンピックに参加する世界中のろう者は主として国際手話を使ってコミュニケーションを図ります。各国の手話はそれぞれ歴史があって違いますので、国際交流の中で世界中に通じる手話が作られてきたのです。ここに紹介する手話は『デフリンピックは夢を育てる』です。写真は第23回夏季デフリンピック卓球」金メダリストの上田萌さん(東京都)です。
開催年次
回 | 開催年 | 開催国・都市 | 参加国数 | 参加人数 | 日本選手団 | 日本選手団成績 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
金 | 銀 | 銅 | |||||||
第1回 | 1949年 | オーストリア | ゼーフェクト | 5カ国 | 33人 | 非加盟 | |||
第2回 | 1953年 | ノルウェー | オスロ | 6カ国 | 53人 | ||||
第3回 | 1955年 | 西ドイツ | オーバーアマガウ | 7カ国 | 61人 | ||||
第4回 | 1959年 | スイス | モンタナブフーナラ | 8カ国 | 42人 | ||||
第5回 | 1963年 | スウェーデン | オーレ | 8カ国 | 58人 | ||||
第6回 | 1967年 | 西ドイツ | ベルヒテスガーデン | 12カ国 | 86人 | 3人 | 0 | 0 | |
第7回 | 1971年 | スイス | アデルボーデン | 13カ国 | 92人 | 不参加 | |||
第8回 | 1975年 | アメリカ | レークプラシッド | 15カ国 | 268人 | 10人 | 0 | 0 | 0 |
第9回 | 1979年 | フランス | メリベル | 14カ国 | 180人 | 8人 | 0 | 0 | 0 |
第10回 | 1983年 | イタリア | マドンナ・ディ・カンピリオ | 16カ国 | 191人 | 9人 | 0 | 0 | 0 |
第11回 | 1987年 | ノルウェー | オスロ | 15カ国 | 136人 | 10人 | 0 | 0 | 0 |
第12回 | 1991年 | カナダ | バンフ | 16カ国 | 294人 | 9人 | 0 | 0 | 0 |
第13回 | 1995年 | フィンランド | ウッラス | 20カ国 | 312人 | 10人 | 0 | 0 | 0 |
第14回 | 1999年 | スイス | ダボス | 18カ国 | 273人 | 10人 | 0 | 1 | 1 |
第15回 | 2003年 | スウェーデン | スンツバル | 22カ国 | 253人 | 14人 | 2 | 0 | 0 |
第16回 | 2007年 | アメリカ | ソルトレークシティ | 24カ国 | 310人 | 17人 | 3 | 0 | 1 |
第17回 | 2011年 | スロバキア | ハイタトラス | 開催中止 | |||||
第18回 | 2015年 | ロシア | ハンティ・マンシースク マグニトゴルスク | 未定 (2014年11月現在) | 22人 | 3 | 1 | 1 |
大会結果について
メダル獲得者一覧
金 | 銀 | 銅 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
スノーボード | 1 | スラローム 原田 上 |
||||
1 | ジャイアントスラローム 原田 上 |
|||||
1 | ハーフパイプ 花島 良子 |
1 | ハーフパイプ 大川 摩耶子 |
1 | ハーフパイプ 津久井 康友 |
|
合計 | 3 | 1 | 1 |
国別メダル獲得数
金 | 銀 | 銅 | 計 | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | ロシア | 12 | 6 | 12 | 30 |
2 | チェコ | 6 | 1 | 0 | 7 |
3 | アメリカ | 3 | 3 | 2 | 8 |
4 | イタリア | 3 | 2 | 0 | 5 |
5 | 日本 | 3 | 1 | 1 | 5 |
6 | スイス | 1 | 3 | 0 | 4 |
7 | フランス | 1 | 1 | 3 | 5 |
8 | 中国 | 1 | 1 | 2 | 4 |
9 | フィンランド | 1 | 1 | 0 | 2 |
10 | ウクライナ | 0 | 5 | 3 | 8 |
11 | オーストリア | 0 | 4 | 5 | 9 |
12 | カナダ | 0 | 2 | 1 | 3 |
13 | ノルウェー | 0 | 1 | 0 | 1 |
14 | スロベニア | 0 | 0 | 1 | 1 |
ドイツ | 0 | 0 | 1 | 1 | |
16 | エストニア | 0 | 0 | 0 | 0 |
クロアチア | 0 | 0 | 0 | 0 | |
アルメニア | 0 | 0 | 0 | 0 | |
カザフスタン | 0 | 0 | 0 | 0 | |
スロバキア | 0 | 0 | 0 | 0 | |
スペイン | 0 | 0 | 0 | 0 | |
トルコ | 0 | 0 | 0 | 0 | |
ポーランド | 0 | 0 | 0 | 0 | |
パキスタン | 0 | 0 | 0 | 0 | |
韓国 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
モンゴル | 0 | 0 | 0 | 0 | |
ハンガリ― | 0 | 0 | 0 | 0 |
★大会の詳細については、下記サイトをご覧ください。
- 第18回冬季デフリンピック大会
- http://www.jfd.or.jp/sc/km2015/
- デフリンピック啓発ウェブサイト
- http://www.jfd.or.jp/deaflympics/index.php
- 全日本ろうあ連盟スポーツ委員会facebook
- https://www.facebook.com/jfdsc
★2017年開催 第23回夏季デフリンピックはトルコ共和国の首都アンカラで開催予定です。