大会・イベントレポート詳細
パラ駅伝in TOKYO2018
開催日時/2018年3月4日
開催地/駒沢オリンピック公園陸上競技場及びジョギングコース
主催/日本財団パラリンピックサポートセンター
日本財団パラリンピックサポートセンター主催の「パラ駅伝 in TOKYO 2018」が、3月4日に開催された。会場となったのは駒沢オリンピック公園陸上競技場及びジョギングコースで2015年に始まり、今回が3度目の開催となる。障害の有無にかかわらず、誰もがスポーツを楽しみ、お互いの理解を深めることが趣旨の大会である。
さまざまな障害のあるランナーと健常のランナーが、チームをつくり、タスキをつなぎゴールを目指す
この大会は1区間2.563㎞で、ランナーがたすきを8区間(20.504㎞)にわたってつないでいく。
1区=視覚障害ランナー&伴走者
2区=聴覚障害ランナー
3区=車いすランナー(女性)
4区=健常ランナー(男性)
5区=知的障害ランナ−
6区=肢体不自由ランナー(立位)
7区=健常ランナー(女性)
8区=車いすランナー(男性)
と、各区間のランナーがルールで規定されている。
参加チームは14都県におよび、今回は初参加として海外からラオスチームが参戦、計18チーム、162名のランナーが参加した。会場には、過去最高となる1万7100人の大観衆がスタンドを埋めた。パラリンピックサポートセンター(以下、パラサポセンター)のスペシャルサポーターを務める稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんの3人も来場し、大会を大いに盛り上げた。開会式では、パラサポセンターの山脇康会長の挨拶に続いて、パラサポセンター特別顧問の小池百合子東京都知事、鈴木俊一東京オリンピック・パラリンピック担当大臣、林芳正文部科学大臣らが登壇した。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長の号砲により、競技がスタート。
1区は「福島ピーチダイヤモンド」が星純平選手&伴走の山田泰広選手で先行した。2位には「ベリーグッドとちぎ」、3位には東京都の「東京ランナーズ」が続いた。同じく東京都から参加した「東京わくわくエンジョイ」(昨年第2位)は、最下位の苦しいスタートとなった。
2区は1位から3位まで、1区と変わらぬ順位でレースは展開した。「東京わくわくエンジョイ」は、上井一輝選手が一気に8人を抜く快走で区間賞を記録し、順位を10位に押し上げた。
3区では、3位以下の順位が変動した。3位には「神奈川スターズ」、「東京わくわくエンジョイ」が、高室冴綺選手の2区間連続となる区間賞に輝く力走を見せ4位に躍進、「ラオススースーチーム」も5位に上がり、大いに歓声を浴びました。
4区では、「福島ピーチダイヤモンド」の加藤将士選手が区間賞の走りで首位を堅持、「ベリーグッドとちぎ」もピタリとつけて逆転の機会を伺う。「東京わくわくエンジョイ」も3位に浮上した。
続く5区ではついに「ベリーグッドとちぎ」が本領を発揮し、中川壮気選手が首位を奪う。「東京わくわくエンジョイ」も2位に浮上。
しかし、首位を明け渡した「福島ピーチダイヤモンド」が、ここから踏ん張りを見せ、6区、7区と連続して区間賞を獲得する素晴らしい粘りで、首位を追走する。一方、「ベリーグッドとちぎ」も首位を明け渡さず、トップで8区の二階堂敬選手にたすきをつないだ。結果、「ベリーグッドとちぎ」がそのままトップでゴールし、見事に2連覇を達成した。2位は終始首位争いを展開した「福島ピーチダイヤモンド」、1区最下位だった「東京わくわくエンジョイ」は3位と健闘した。
閉会式では、優勝した「ベリーグッドとちぎ」にパラサポセンター山脇会長から優勝杯が授与され、東京都オリンピック・パラリンピック準備局延與理事(当時)から東京都知事賞の表彰状が贈られた。また、「最も印象に残ったチーム」に贈られる日本財団賞は、9位に入った「ラオススースーチーム」が受賞、アンカーを務めたピア選手は「日本人だけでなく、私たちにも温かい声援を送ってくれてありがとう」とコメントした。
それぞれにベストを尽くした選手たち、大会を支えたボランティアの方々、そして1万7100人の観衆によって、「パラ駅伝 in TOKYO 2018 」は大盛況の中で幕を閉じた。
<チーム成績>
1 位 | ベリーグッドとちぎ(栃木) | 1 時間 24 分 08 秒 |
2 位 | 福島ピーチダイヤモンド(福島) | 1 時間 25 分 44 秒 |
3 位 | 東京わくわくエンジョイ(東京) | 1 時間 29 分 31 秒 |
<区間賞>
1区 | 星純平 選手/山田泰広 選手(福島ピーチダイヤモンド) | 09 分 03 秒 |
2区 | 上井一輝 選手(東京わくわくエンジョイ) | 09 分 22 秒 |
3区 | 高室冴綺 選手(東京わくわくエンジョイ) | 11 分 46 秒 |
4区 | 加藤将士 選手(福島ピーチダイヤモンド) | 08 分 01 |
5区 | 狩野大介 選手(コバトン&さいたまっち) | 08 分 33 秒 |
6区 | 新田勝士 選手(福島ピーチダイヤモンド) | 08 分 23 秒 |
7区 | 鈴木葵 選手(福島ピーチダイヤモンド) | 08 分 53 秒 |
8区 | 新津和良 選手(しなのパープルズ) | 11 分 00 秒 |
「チームには健常者と障害者の垣根がまったくなく、スポーツの力を改めて感じた」と語った